2013年6月25日火曜日

Cantar sin música


スペイン人の同僚たちと話をしていて、学生がアカペラのサークルで歌っているということが話題に上った。何を歌うのか、と尋ねる人がいたので、僕はアカペラというのはジャンル (un género) であると言った。で、当然、でもアカペラというのは cantar sin música のことでしょ、という反応が返って来た。まあ、ジャンルというのは大袈裟だけど、今の日本で学生がアカペラをやっていると聞いて、たとえばグレゴリオ聖歌を思い浮かべる人はいないのではないだろうか。つまり、ここでの「アカペラ」は伴奏なしで歌うことという一般的な意味で使っているのではない。僕は「アカペラ」のジャンルとしての範囲は知らないので、具体的なことは分からないが、てなことを答えたのだった。あとで検索してみたら「アカペラを歌う」という言い方さえ存在する。

さて cantar sin música は、文脈から明らかなように伴奏なしで歌うこと、つまり (一般的な意味での) アカペラで歌うことだ。この música の使い方がなんともカッコいいではないか。こういう言い方は、僕は逆立ちしても思いつかない。せっかく覚えたので、生きてるうちに1度使ってみたい。

スペイン語でもアカペラという言い方はする。DRAEの次の版に a capela が収録されるようだ。これで形容詞的にも副詞的にも使えるという。載っている例文は Cantaron a capela で、副詞的な使い方の例。フラメンコでは cantar a palo seco と言ったりする。