2014年2月15日土曜日

Dom Casmurro


マシャード・ジ・アシス『ドン・カズムッホ』(武田千香訳、光文社古典新訳文庫、2014)。

訳者の武田さんから頂いた。たまたま最近、ポルトガル語の勉強にこれを読み始めたと言ったところ、そろそろ翻訳が出ると教えてもらっていたのだった。まずはオリジナルで読み通すことが目標なので、訳書に目を通すのはその後になるが、オリジナルを読み進める動機付けも強まったし、本当に有り難い。

文学としての読み方は分からないが、19世紀末の作品として勝手に抱いていたイメージよりは読み易い。とは言え、現代の標準的な言い方なら não me ... となるはずのところが me não ... になるような、そのままでは学習者のお手本にはできないところがあるようだ。従属節でならば、中世のカスティーリャ語にもある語順だし、現代ポルトガル語でも、ジョゼ・サラマーゴを読んでいて出くわした記憶もあるので、そういう観点から見れば興味深いが、普通の学習者にとってノイズになるのは間違いない。

マシャード・ジ・アシスの全長編小説が集められた電子書籍で読んでいるので、ためしに me não で検索すると、なるほど出てくる。従属節 (que me não, se me não など) や前置詞プラス不定詞の (para me não meter..., de me não fazer...) 例が多いが、『ドン・カズムッホ』以外の作品ならば Talvez me não compreendas... (Ressureição) とか Por que me não mandou chamar? (A mão e a luva) とか Já me não admira... (Helena) とかが見つかる。そこで、中世カスティーリャ語の状況を正確に把握していないことに気づく。まあ、そのうちチェックしよう。

本当は、マシャード・「ジ」・アシスとかドン・カズム「ッホ」とかの表記をネタにしようと思って書き始めたのだが、これもまたそのうち。

Estou lendo Dom Casmurro, de Machado de Assis. Ainda estou no capítulo vinte e algo, e vou lendo pouco a pouco. Os capítulos são curtos e facilitam a leitura. Disseram-me que a sua sintaxe contém elementos pouco recomendáveis para os alunos, como a ordem «me não...» (em vez de «não me...»), mas isso não é óbice para desfrutar este romance.

Acaba de publicar-se uma versão japonesa da obra, feita por Chika Takeda. Vou lê-la depois de terminar o original (quando será?).

(Corrigido un erro ortográfico: 2014/02/16)