2013年3月24日日曜日

Quiero


前回は無理矢理 querer の話を入れたが、ちょっと補足。この動詞は重要な基本単語だし、不規則動詞でもあるので、我々が教科書を作るときにまず思い浮かべるアイテムのひとつだ。しかし、直説法現在1人称単数の quiero の使い方がけっこう難しいのだ。前の記事の引用から言えることは、quiero を使える/使えない相手と状況があるということで、その点についての配慮なしに quiero の例文をばらまくべきではないだろう。たとえ例文自体は適切なものであっても、その例文の示唆する状況が学習者に理解されないならば、やはり困るわけだ。僕も、4月から使う教科書から quiero を1つ削ったのだが、まだダメな例文が残っているかもしれない。

こないだの引用は querer に名詞句の直接目的語が続く場合 (pedir objetos) の話だったが、僕は querer + 不定詞や querer que + 接続法のパタンに関して、学習者の不適切な使用に対するネイティブスピーカーのコメントを聞いた記憶がある。大まかに言えば、quiero じゃなくて quisiera や me gustaría を使うべきだということだが、場合によっては相手との関係よりも事柄の現実味が問題になるのだろう。

もちろん quiero を教えないわけにはいかない。しかし、文法の教科書が文法の教科書だからという理由でこの点に無関心で良いはずもない。というわけで、気づいたところをちょっとずつ直しているのだが、まだまだ先は長い。