2014年10月6日月曜日

Gustavo Dudamel / Wiener Philharmoniker

グスターボ・ドゥダメル指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (2014年9月25日、サントリーホール)。曲目はリヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』とシベリウスの交響曲第2番。

ウィーンフィルは初めて聞いたが、とにかく響きの美しいオーケストラだ。音に濁りがなくて柔らかい。でもガラス細工の透明感みたいなものとは違う。はりつめた緊張感は皆無で、ステージ上の音合わせも、まあ一応やっときますか的にさっと済ませるのだが、 (本気出してなさそうな) 余裕の中であれだけの響きが出るのは、さすが。小泉文夫が「純正調の見事なハーモニー (『世界の民族音楽探訪』実業之日本社、p. 234)」と呼んだのがこれなのかもしれない (僕は美しいと思ったが、その理由までは分析できない)。

ドゥダメルを聞くのはシモン・ボリバル、ミラノ・スカラ座に続いて3回目。3回とも楽しく聞かせてもらったのだが、正直なところ、彼についての印象ははっきりしない。最初のシモン・ボリバルの来日公演は、良くも悪くも若いという印象だった。あとの2回は、オペラ (『リゴレット』) は楽しめたし、スカラ座オケも良かったし、ウィーンフィルは素晴らしかったし、公演が面白かったと断言することはできるが、ドゥダメルってどんな指揮者?と問われたら何と答えていいか困る。来年ロサンゼルスフィルと来るようなので、それを聞けばイメージがはっきりするかもしれないが、行こうかどうしようか。いずれにせよ、1981年生まれだから、まだまだこれからの成長を期待すべき人だ。

アンコールはヨハン・シュトラウスのポルカ。曲はサントリーホールのHPによれば「J.シュトラウスI: アンネン・ポルカ op. 137 と J. シュトラウスII: ポルカ・シュネル『雷鳴と稲妻』op. 324」(だが、アンネン・ポルカをgoogleaってみるとII世の op. 117 となっている。僕はこの辺りに不案内なので、ポルカだということは分かったが、アンネン・ポルカだったのか他の曲だったのかは分からない)。うかつにも、こういうアンコールが来ることを予想していなかったのだが、ヘレスと言えばブレリア、ウィーンと言えばワルツ・ポルカじゃないか。これを忘れちゃいけない。