2013年4月27日土曜日

Los muertos también pueden morir.



スペイン国営放送 (RTVE) のサイトでテレビのニュースを見ていたら、アナウンサーが «al menos 11 muertos han muerto» と言った。もちろんすぐに «11 personas» と言い直したのだが、こういう例に遭遇すると、やはりほっとする。ネイティブスピーカーとは言い間違いをする存在なのだ。だから、我々非ネイティブも、気楽に間違えながら喋れば良い。と言っても、なかなか気持ちが切り替わらないのが実情だが。

でも、なぜ «11 muertos han muerto» は変なのだろうか。日本語でも「死人が11人死んだ」は変だから (変だよね)、あまり深く考えたことはないが、これは話者の間で人は1度死んだらさらに死ぬことはない (1度生き返ればまた死ぬことはできるが、それとは意味が異なる) という了解があるからだろうか。意味論的には [-muerto (+vivo)] から [+muerto (-vivo)] への変化で、状態はこの2つしか考えられない。死者が死んで [++muerto] とかになったりはしない。1度休講にした授業をさらに休講にすることはできない (やっぱり授業やりますと言ってからまた休講にすることはできるが、それとは意味が異なる) のと似た話ということだろうか。