2014年12月23日火曜日

Gran crónica del cante 16

出来上がって来たので早速聞いてみる (曲目はこちら)。



最初の Niña de los Peines のペテネーラスで鳥肌が立つ。何度か聞いたことのある演唱だが、いつもそうなるとは限らない。ある程度の音量で、スピーカーの音を直接というより部屋に響く声を聞くという感じだったのが影響しているかもしれない。それにしても恐ろしいカンタオーラだ。

Manuel Vallejo の凛としたシギリージャもいい。Vallejo はもともと有名だし優れたカンタオールだということになっているが、もっと評価されていい人だろう。全集も出ているので、一度じっくり聞いてみたい (が、なかなか時間がとれない)。

さて、他にも触れるべきものはあるだろうけど、とりあえずパスして、今回の特集のマリアーナス。4人の演唱が収録されていて、どれも面白いが、やはり Niño de las Marianas のものが別格というか、ちょっと違う世界を目指しているというか、これが芸名になってしまっただけのことはある仕上がりだ (Ramón Montoya の伴奏が他の人たちのより格段に深いことも、これに貢献しているだろう)。個人的には Garrido を発見したり Escacena の上手さに気づいたり、いろいろと収穫があった。Adela López に関しては、資料が手に入らなかったので大したことは書けなかったが、ギターじゃない伴奏のカンテについての研究がもっと進むと (つまり誰かがやってくれれば) 面白いだろうと思う。

買ってね。