2026年3月3日火曜日

Buen día

2月の後半、ちょっとスペインに行ってきた。10年ぶりぐらいなので、コレハワタシノシッテイルスペインデハナイ感満載のなかなか面白い滞在だった。その感じについての色々はそのうち書くかもしれないし書かないかもしれないが、1つだけ言っておくと、マドリッドの地下鉄の車内で化粧をしている人を目撃した。これはこれでどうかとは思うのだが、それだけ街が安全だということだろう。実際、通りを歩いていても、僕がそれなりの期間滞在していた40年ぐらい前と比べて雰囲気が緩かった。

さて本題。サンティアゴ・デ・コンポステラの本屋で頑張ってガリシア語で喋ってガリシア語で書かれた本を買い、店員さんから親切な対応ををしてもらって店を出ようというときに、彼から «Bo día» と言われた (bon に近い感じに聞こえたのだが、これは別のテーになるので今回はパス)。これはカスティリャ語の buen día にあたる。Buenos días にあたる bos días もあり、実際今回も聞いたのだが、頻度の差とか使い方の違いがあるのかは分らない。Real Academia Galega の辞書では bo día が «Saúdo que se emprega desde a mañá ata a hora de xantar. Bo día, Maruxa! (s. v. día)» で、bos días は «Bo día. Cando se entra nun sitio hai que dar os bos días. (ibid.)» という風なので、これを見る限りでは bo día がメインということになりそうだが、正直実際どうなっているのかは分らない。

実は、以前サンティアゴ・デ・コンポステラに居たときに、街中でカスティリャ語の buen día を挨拶として聞いたことが何度かあった。しかも、僕の記憶に残っているのは、別れるときの挨拶だ。その時は、buen día はアルゼンチンあたりで使われるし、でもそっち出身というわけでもなさそうだし、別れるときに buen día と言うことがあるのかな、という程度の認識で、それ以上追求しようとは思わなかった。今回 bo día を聞いて、言語は異なるわけだが、昔ときどき聞いた buen día のことを思い出したのだった。

そういう、今風に言えば脳が活性化した状態だったからか、その後に行ったマドリッドの街で聞こえてきたのだ、buen día が。この発言は僕に対してのものではなく、その人の姿も見ていないのだが、文脈からは明らかに別れ際の挨拶だった。男性で、音声的にはいわゆるスペインのスペイン語のように聞こえた。

サンティアゴ・デ・コンポステラの buen día とマドリッドの buen día を同列に扱うのは危険だが、とりあえず buen día について確認しておくことに意味はあるだろう。

で、 NGLE はこんな風に言っている。

  • «Predomina en el español general buenos días sobre su variante buen día ([...]). La fórmula buen día era la forma leonesa tradicional y se emplea en el español de México, Centroamérica y el área rioplatense. Su distribución geográfica es algo más irregular en otras áreas, ya que está en desuso en unas (Chile), pero en auge en otras (Perú) (§32.6b)»
  • «La variante buen día apenas se usa en el español europeo. En Puerto Rico y otros países antillanos se suele preferir buenos días para los saludos y buen día para las despedidas. Con las restricciones mencionadas, ambas fórmulas se utilizan para despedirse en la mayor parte de los países hispanohablantes, aunque con diferente extensión y pujanza (§32.6c)»

これで分るのは、buen día が広く使われる地域とそうでない地域があるということと、buen día が別れるときの挨拶として使われやすい地域があること。そもそもスペインではほとんど使われないということだが、逆に言えばゼロというわけではないと読める。そして、その少ない buen día が主に別れ際に出現するという可能性を検証の対象にすることは出来るだろう。

まあ、データも少な過ぎるし、地元民の発言だったという確証もないので、今のところ何も言えないと言うしかないのだが、スペインでも buen día が聞かれることがあるというのは事実なので、もうちょっと眺めていようかと思う。

  • González González, M. (dir.): Dicionario da Real Academia Galega. A Coruña: Real Academia Galega. <https://academia.gal/dicionario> [Consultado: <2026/03/03>]
  • RAE & ASALE, 2025, Nueva gramática de la lengua española, edición revisada y ampliada. (versión Kobo)