2015年2月14日土曜日

Dos diferentes

僕はシステミックな人ではないので Halliday を読み込んでいるわけではないが、けっこう好きだったりする。前の記事では不定冠詞を問題にしたが、原文で問題になっているのは different の機能で、見た目は語順にあらわれる。つまり different two か two different かの違いだ。スペイン語のネイティブにきいてみたが、スペイン語ではこういう芸当はできないようだ。Dos colores diferentes と dos diferentes colores という語順の違いは、今見ている英語における区別には対応しない (diferentes dos は言えないようだ)。

もちろん、言おうとして言えないことはない。ネイティブスピーカーが un par diferente de colores (a different two colours にあたる) というのを考えてくれた。他にもいろいろあるだろう。ポイントは、英語のように最小に近い違いでこれら2つの異なる概念を表し分けるようになっていないということだ。しかも、それで特に不便なわけでもない。

実は英語でも a different two colours と two different colours が完全に領域を分け合っているわけではないらしい。つまり、後者は前者の解釈にもなりうる (p. 80)。ということは、「互いに異なる」という解釈に一義的に決まる言い方にするには何か工夫が必要だということになる。